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2011~2012年に連載された桃森ミヨシさんの「皇子かプリンス」ファンサイトです!
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「どっちも」

これ、つなぐが最初からよく言ってた言葉。
これが、ここにきて重要な意味を持ち、繋がっていたことに驚きました。
そして同時に、ああ、作者が一番言いたいことってこれなのかも、とも。

この皇子かプリンスって話は、桃森さんがもうほんとに最初から構成やストーリーを完璧に作って進めているとしか思えない。

日本という国はまさに色んな文化を受け入れ、自国の文化と融合してきた世界でも珍しい国なんですよね。普通だったら王政ひとつとっても、権力を持たなくなった時点で革命とか民主運動とか勃発して淘汰されてるもの。
なのに、権力をもたない皇室が脈々と1000年以上も続いてる。こんな国は他に類をみないそうです。

どっかの書評で、主人公つなぐは日本という国を具現化したような子だと書かれていたのを見たことがあるんですが(どこだったか忘れてしまいましたが)
これを読んだ時はあまりピンとこなかったんですが、今回の話で確かにそうかもしれないと思いました。
神様と仏様とキリストが一緒に存在する国。正月は神社に参って、年末はクリスマスを楽しみ、お盆には仏様にお参りする。そんな国なんですよね。
何でも白と黒にわけてしまうのでなく、それぞれのいいところを取り入れ、ケンカするのではなく全部とうまく付き合う。
意識せず自然にできてしまうのが日本の特徴です。

つなぐの個性は今回出てきたような「どっちも」という心。
何でもはっきりさせるのが正義だという考え方はそもそも欧米風なんだそうで。
そうそう、あと、天災や災害が多い国だから環境に順応するのが早い国民性だとか、わりと逆境に強いとか。でも基本的に島国で他国からの侵略がなかったため、どっかのんびりしてるとか。
日本人の特徴的なことが全部つなぐにも当てはまってる気がする。
のんびりしてて、順応性高くて、心意気は「どっちも」。そして結構打たれ強い。
高仁様とキスしちゃって学校中から悪く言われてた時も「それはどうでもいい」と言えるくらい、底力というか、ぶれない真の強さはある。

私はこのマンガが、とても大きなことにチャレンジしているように思えました。
でも一見、とっつきやすい夢いっぱいの少女マンガ(笑)。実際、難しい言葉は作中でまったく使われていないしとっても分かりやすいシンデレラ話。
そんな甘ったるいベールをかぶりながら、実はすごく大変なことを描こうとしてるんじゃないかって思ってしまいました。
うまく進めることができたら、とても素晴らしい作品になるんじゃないかと。

でもそううまく進められないかもしれないな…とも思いました。
前回で高仁様が、祭祀は「意味がないこと」と言ったセリフが社会的にまずいんじゃないかと感想を書きましたが
やっぱりまずかったんじゃないですかね。
今回の掲載順位、最下位ですw今までずっと前の方にいた作品がいきなり最下位です。これは下手すると本当に、何かの力で打ち切りになってしまうかもしれない…とも心配になりました。
でも、私は桃森さんに描こうとしてることを貫いてほしい。たとえ中途半端なところで打ち切りとかになってしまっても、迎合せず描ききってほしいなと思います。
それくらいこのマンガは、今まで誰も描こうとしなかったことに挑戦している気がするんです。

つなぐは皇子達から自己確立を学んでる。でもつなぐの良さを失わないで欲しいと前に書きましたが
高仁様のはっとした表情は、そんなつなぐの良さから、何か気付きを得られたように見えました。
晴ちゃんはもう変わりはじめてる。
今度は高仁様が変わる番ですね。
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このブログについて
2011年7月より2012年7月までマーガレットで連載された、皇子かプリンス/桃森ミヨシさん(著)の感想を好き勝手に綴るブログです。
ネタばれを多分に含みますので嫌な方はご遠慮下さい
皇子かプリンス とは
コミック全3巻 発売中

この国の皇は「無私」である事を強要される立場。
しかしその息子である双子の皇子は、我が強く、超仲が悪い。
そんな二人の皇子の仲立ちを任されたのは"自分が無い"と言われる程に我欲の薄い女子高生「つなぐ」。彼らが影響しあい恋をし変わっていく、学園&皇室ラブコメ。
「本当の無私」とは何か、という事がテーマになっており、皇子はそれを主人公から学ぼうとしている。また主人公も皇子達から「自己確立」を徐々に学んでいる。
架空の日本が舞台ではあるが、皇家の設定は日本の皇室をモデルにしている。
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プロフィール
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女性
自己紹介:
料理関係ライター、医療関係雑誌編集者を経て現在はフリー。先輩のアシスタントとして医療関係の裁判傍聴だけは続けている。食と健康に関する興味から、学校給食について調査中。彼氏と共に東京在住。心のオアシスはコミック読み。
学生時代に「ハツカレ」で桃森ミヨシのファンになる。
辛口と甘口とファンの欲目と希望と萌えの混ざった感想を好き勝手にだらだらと綴っている。
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